こっちが東京時間。そしてこっちが、博多時間だ!!
来月、両親は北海道観光に行くらしい。
父は4日間かけて、Excelでタイムスケジュールを作っていた。
ホテルから小樽まで車で何時間だの、朝早く起きて雲海を見ようだの言っている。
どこで何を食べるかまで決まっているそのスケジュールは、お隣の韓国に行くときでさえホテルも予約せずに行ってしまう私にとって、考えられないことだ。
お土産も何にするか決まっているもんだから、もらう側としてはそのワクワク感がない。
中学生の修学旅行かよ! なんて思いながらその様子を眺めていると、
「小樽の日没時間は何時かな?」と急に話を振られた。
北海道に行ったことのない私に分かるはずもない。きっと父の方が行ったこともあり、なんとなくわかっているはずだ。
「そんなことまで調べなくていいんじゃないの?」
そう私が言うと、
「昔、東京ディズニーランドに行った時、17時には真っ暗になったでしょ! あの時はびっくりしたし、少し気味悪かったよね」と、母が答えた。
確かに!
私の住む福岡では、17時に日が完全に沈んでしまうなんて考えられない。
あの時は、楽しさで時間が早く進むのと、普段考えられない時間に沈む太陽によって奇妙な感覚を感じたのを15年経った今でも覚えている。
福岡では、日の出は6時半、日の入りは18時半というような感覚なのだが東京ではどうなんだろうか。
そういえば、去年の10月に東京に行った時には、日の出の時間の早さにも驚いた。
2015年10月4日に、お台場の潮風公園で開催された旅祭2015。
世界一周経験者が多数集まり、変わった人が多く集まる旅をテーマにしたその野外フェスに行く為だけに東京まで行った私は、たまたまお台場に住んでいた友人の家に泊めてもらった。
前日の夜は、学生時代の友人と飲み、始発の時間まで語らっていたので、旅祭には昼過ぎから行くことになると思っていた。
しかし当日、私は7時には目を覚ましていた。いや、朝起きるのが苦手な私でさえ朝日に蒸され起きずにはいられなかったのだ。なんて早く日が昇るのだろう。
そうか、時差があるのか!
東京と福岡では、日の出・日の入り時間に1時間あまりの差がある。
ではなぜ、福岡の人は東京と同じ時間軸で動いているのだろう。
お店の始業時間、出社時間、ランチの時間……。
東京と福岡にオフィスを構えるような会社でも、出社時間は同じだろう。
きっと出社時間が1時間も遅ければ楽なんだろうな、なんて思ってしまう。
「福岡時間」みたいな考えは、生まれないものだろうか。
そういえば、高山質屋のテレビCMでミランの本田圭佑みたいに両手に腕時計をしている人が
「こっちが東京時間。そしてこっちが、博多時間だ!!」
なんて言っていたな。
彼の言う博多時間ってなんなんだろう。
まぁ、この話が通じるのも福岡の人くらいだろうからこれくらいにして、やっぱり東京はいいなぁ。
あの朝日で、目が覚める感じ。
部屋の中は蒸し暑かったけど、すごい気持ちよかったな。
日が昇れば目を覚まし、日が沈むと眠りにつく。
人にとって、それがベストなのだろう。
とは言え、日の昇る前から働いている人なんてごまんといる。
若者がのんびり寝ているなんて困ったものだ!
「どうしたもんじゃろのう」